センターについて

Greetingご挨拶

東北大学 原子炉廃止措置基盤研究センターセンター長 渡邉豊
東北大学
原子炉廃止措置基盤研究センター
センター長
渡邉 豊

原発の安全な廃炉への貢献
「知」を集結して取り組む。

福島第一原子力発電所(以下、1F)の過酷事故から10年が経過し、廃炉はさらに技術的難易度の高い工程への挑戦が始まる段階にあります。局面を打開する新技術の開発や予想外の事態への対応などのため、基盤研究の役割も益々重要となり、長期を要するこの難事業を引き継いでいくための優秀な次世代の育成も必須であることから、大学の果たす役割はさらに重要となります。

東北大学は、部局間横断組織「原子炉廃止措置基盤研究センター(Center for Fundamental Research on Nuclear Decommissioning: 以下、CFReND)」を2016年12月1日に設置し、1Fの中長期リスク低減に重点を置いた基盤研究ならびに人材育成に取り組んでいます。CFReNDは「廃止措置リスク管理技術研究部門」および「放射性廃棄物処理・処分技術研究部門」の2部門によりスタートしましたが、これらは、政府系の競争的資金を獲得して基盤研究を推進することを基本とする部門です。

2020年4月に「福島第一原子力発電所廃炉支援基盤研究部門(東京電力HD福島第一廃炉推進カンパニーとの共同研究部門)」を設置しました。この部門では、廃炉事業の実施主体である東京電力の技術者と本学エキスパートとの密接なコミュニケーションに基づいて現場ニーズを研究課題にブレイクダウンし、本学が有する広範な分野での研究ポテンシャルを活用して廃炉現場の課題を解決するための研究開発を行います。

CFReNDは、このような2種類の異なるアプローチを並進する組織体制を構築しました。これら研究の場を人材育成にも活用しています。さらに、1F廃炉のために生み出された技術や知見を、通常の原子炉廃止措置にも展開していきます。

福島第一原子力発電所から90km余りの距離にある本学は、地元の総合大学として、安全かつ着実に廃炉が進むために、基盤研究と人材育成の面から貢献すべく、息長く努力してまいります。引き続きご支援下さいますようお願い申し上げます。